労災保険とは?④〜 職種によってはフリーランスでも労災保険の対象に〜
労災保険は人に雇われている「労働者」が対象となる制度ですが、業務内容などから自営業やフリーランスであっても労働者に準じて保護が必要とされる職種について、「特別加入制度」が用意されています。
特別加入ができる人の範囲は、中小事業主等・一人親方等・特定作業従事者・海外派遣者に大別されます。
下記のいずれかの事業を行ういわゆる「一人親方」やフリーランス、自営業の方は、労災保険の特別加入者となることが可能です。特に事故のリスクがある職業の方は、保険料を支払っても万が一の事態に備えておくと安心です。
<特別加入者の範囲(一人親方等)>
- 個人タクシーや個人貨物運送業者などの自動車を使用して行う旅客または貨物の運送の事業
- 大工や左官、とび職人など、土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊もしくは、解体またはその準備の事業(除染を目的として行う高圧水による工作物の洗浄や側溝にたまった堆積物の除去などの原状回復の事業も含む)
- 漁船による水産動植物の採捕事業
- 林業の事業
- 医薬品の配置販売事業
- 再生利用の目的となる廃棄物などの収集、運搬、選別、解体などの事業
- 船員法第1条に規定する船員が行う事業
- 柔道整復師法第2条に規定する柔道整復師が行う事業
- 創業支援等措置にもとづき高年齢者が行う事業
- あん摩マッサージ指圧師、はり師、またはきゅう師が行う事業
- 歯科技工士法第2条に規定する歯科技工士が行う事業
(厚生労働省「特別加入制度のしおり」より)
また、下記「特定作業従事者」に該当する方も、任意で労災保険に加入できる可能性があります。
<特定作業従事者の範囲>
- 特定農作業従事者
- 指定農業機械作業従事者
- 国または地方公共団体が実施する職場適応訓練や事業主団体等委託訓練従事者
- 危険性の高い作業に従事する家内労働者とその補助者
- 労働組合等の一人専従役員
- 介護作業、家事支援従事者
- 芸能関係作業従事者
- アニメーション制作作業従事者
- ITフリーランス
任意加入ですので、本人が手続きし、保険料も自分で払って加入することで、補償が有効になります。職種によっては、加入前に健康診断が求められる場合もあります。
年間の保険料は
<保険料算定基礎額(申請に基づき労働局長が決定)× 保険料率(業種などで異なる)>
で算出します。給付額は、労災保険の保険給付同様、幅広い給付となっています。
保険料率や、給付の例などもう少し詳しくご覧になりたい場合は、厚生労働省の資料を参照ください。